2024-06-24

TOYO 社屋移転プロジェクト

はじまり

このプロジェクトの始まりは、社長である田端さんの

「どうせやるなら面白くしよう」と言う一言から始まりました。

岐阜県飛騨市にて住宅用内装建材を生産する会社として80年以上の歴史を持つ株式会社 東洋。

飛騨古川駅の真裏に位置する広大な敷地にオフィスと工場があり、

ボイラーの煙突から立ち上る煙は町のどの場所からも見渡せるシンボルマークになっていました。

そんな飛騨市で2026年4月開学を目指し、Co-Innovation University(仮称)という

新しい大学の設立プロジェクトが立ち上がりました。

これに伴い建設される学校機能を備えた商業施設の建設地として、

駅からのアクセスや敷地面積など様々な条件の良さから

東洋さんの場所が候補に上がりこれに応える形で移転プロジェクトは始まりました。

合わせて大学に関わる駅東の開発に関わる会社も立ち上がり、その代表に田端さんが就任。

現在は大学に関連した様々な分野のまちづくりに尽力されています。

 

未来につながる形を目指して

移転に際して、どんな工場で、どんなオフィスで、と具体的な間取りを考える前に、

そもそも、東洋はどんな未来に向かって進んでいきたいのか?

それらを叶える為にどんな場所を作っていくべきか。田端社長は悩んでおられました。

kongcongにご相談頂いたのもちょうどこのタイミングでした。

私たちはまず会社のアイデンティティであるロゴを再定義する事から始めました。

会社の姿勢、考え方、思い、創業してから変わる事なく繋いで来たコトと、

時代の変化に伴い形を変えてきたコト。これまでの歴史を振り返り未来へ繋ぐためのシンボルを

再定義し可視化することで、改めて東洋という会社の「これから」を見定めました。

この過程では社長は勿論のこと、全社員さんへのアンケート調査をさせて頂き、

「今」の会社の状況を整理し、どんな未来を作りたいかの要望を取りまとめ

10項目のビジョンが完成。これを元に実際の空間への落とし込みをさせて頂きました。

※10項目のビジョンは東洋サイトにて掲載しています。

 

クリエイティブチーム立ち上げと、プロジェクトスタート

方向性が決まったことで、プロジェクトを進めるにあたり、東洋さんの思いを形にするために

どんなスキルを持った人たちがチームに必要なのかの議論を重ねチームビルドを始めました。

グラフィックデザインには国内外での受賞歴のあるデザイナー 白澤真生さん、

空間全体のアートディレクションには自社でもクライアントワークでも店舗プロデュースをされていて、

広告やクリエイティブにも造詣の深い 山本雄平さん、

オフィス全体の造作には、商業施設に特化し材質やスタイルなど幅広く提案や企画も

できるスキルを有した小泉哲也さん、

工場サインの造作には、自身でもブランドを運営されていて、家具やインテリアの設計からデザインまで

自身でプロデュースされる岡田誠一さん、

パースや模型、全体のサポートとして設計やクリエイティブの素地のある中島亮二さん、

内装や家具の調整などには、地元飛騨で大工をされている柿崎裕也さん、

家具職人をされている伊藤慎次郎さんなど幅広い分野のスキルを持った方々にお声がけし、

クリエイティブチームを立ち上げ、プロジェクトがスタートしました。

 

未来を創るための空間とは?

「家を建てる時に100%を目指すのではなくて、60%を目指して建てると良い。」

過去に尊敬する先輩に、そんな話を聞かせていただいた事がありました。

これは、決してネガティブな意味ではなくて、

家というのは住み始めた時はあくまで始まりであって、そこから暮らす時間の方が圧倒的に長い。

つまりはじめが100%であっても、時間の経過と共に家も人も歳を重ね、暮らし方や価値観、住む人数なども

変化していく為、ずっと100%のままで持続していくのは難しいと言うわけです。

60%の家ではなくて、40%の「余白」を作っておく事が大事。

この40%は自分たちで作っていく為の可能性というお話でした。

 

東洋さんがこれからの未来を創っていく中で大切な事もまさにこの部分で、

「今」の東洋さんが満足するモノでも、クリエイターのエゴでもなく

様々な可能性をできるだけみんなで出し合い、「未来に繋げるため」の「今」と言う視点を

みんなが意識合わせすることで作り上げていきました。

 

例えば、、、、オフィス棟で完成したこのスペース。

 

 

従業員さんの社食スペース、

ちょっとした会議、

子連れでの出社が可能な環境、

いづれ仕事がオフィス以外の場所でもコーヒー片手にリラックスして出来るようなカフェのような空間、

ポップアップで出店して貰えるような場所、

地域の方に公民館の様な貸し出しもできたらいいな。。。。

 

などなど、色んな可能性や未来の事も想定した空間として出来たのがこの場所。

一つの目的に絞らず作ったこの部屋は「cafe」と言う名前になりました。

 

工場ではこれからこの場所を使っていく従業員さんと一緒に

壁面へのペイントを一緒にしました。

 

自分達の働く環境に誇りを持ってほしい、

毎日、長い時間いる場所だからこそ、遊び心や思い出があってもいいんじゃないか?

そんなちょっとした企画も織り交ぜながら徐々に形になっていきます。

 

 

完成は100年後!?

 

田端社長の「面白い」とは、いつも沢山の可能性を持ってワクワクしていること。

今やれる事もあるし、今出来なくても未来に出来そうな事もある。

そんな可能性をいっぱい持った環境とはどんなものか。

様々な価値観や業界の垣根を超えて人が集まり、出来るだけ広い視点で色んな未来を想像する事で、

出来上がったのがこの東洋新社屋です。

 

そして、ある意味ではまだ完成はしていなくて、これから従業員さんを始め、

東洋さんと関わる様々な人達と一緒に完成させていく。

そんな土台になって行って欲しいなと思っています。

 

改めてとても意義のあるプロジェクトに関わらせて頂き

本当にありがとうございました。

 

記事で紹介しきれなかった個別の詳細紹介は以下のリンクより

・カフェスペース

・会議室

・オフィス外観サイン

・オフィスサイン

・工場サイン

・工場外観サイン

・ロゴデザイン

・Tシャツ

・ステッカー

・PR動画

 

コメントを書くにはログインが必要です

コメントを残す